＃ バリエーションがなくなってくるの

背後の画力のなさを呪うの。

洋館に行くことになりました。夏輝は廃墟がすきだけど、古い建物も同じくらいすきなの。
なんでもリビングデッドとお姉さんが一緒に暮らしているの。しかも仲良く。
能力者だったら使役ゴーストに出来るのかもしれないけど、
死体と生体が織り成す異常な関係は悲劇しかもたらさないと、そういうことらしいの。
夏輝は洋館にいければいいの…。
できるだけお嬢さんと彼女が歪んだ現実を直視できるように。
なんて言ってみるけど、彼女達が望んだ関係にどんな結末を迎えても其れは彼女達次第だから
学園側がどうこう介入するのは、気の進むことじゃないわ。
これから彼女がリビングデットとして力を持って、町に出て殺戮行為に及ぶなら仕方ないと思うの。
でもそうじゃない、彼女はお嬢さんのことを思っているから、絶対外には出ない。
…自縛霊になるならありうると思うの。
で、入ってきた建設業者や次に洋館を買った方を襲う、
かもしれない。

かもしれないだけなのに。

不思議なの。力を持っているというだけで、人の生と死者の魂に土足で踏み入れることを許される。
なんでだろう。戦争のときも思ったの。学園の正義って何？

ぬー。
そんな大きいこと夏輝には関係ないの。ただ、夏輝の思ったとおりにやろうと思うの。
素敵な洋館を鮮血に染めるのも粋なことだわ。
それに、お涙頂戴な惨劇なんて、誰にでも作り出せるの。本当の笑顔を引き出すことが一番難しくて、やりがいのあることなの。

双海せんぱいの怪我が治って何よりなの。おめでとーう。なのです。

でもちょっとだけ寂しいのは気のせいかな。夏輝のことなんか面白い小学生くらいにしか思われて無いかもしれないけど、ぬー。足りないのは年の差ですか、身長ですか、おっぱいですか、脳みそですか、後ろから付いていくんじゃなくって、隣を歩いてみたかったの。
！？
あ、今のなかったことにするの。なんでもないの。わすれるーわすれるー。うん。せんぱいのほうは彼女さんのいる人なのです。夏輝は精一杯自重するのです！あぅ。

あ、う、て、てすとは前より順位上がったの！しぃかし、同学年の身内に負けたのが口惜しいことですわ。四季さま次は覚えてらっしゃい！なの。